この記事のタイトルは:
「アルミ切削で利用されるツール・エンドミルの種類」です。
マシニングセンターやフライスで使用するツールには全般的にエンドミルを使用します。この「エンドミル」はドリルのように様々な大きさと形状があります。
加工対象も鉄やアルミ、銅など軟質材から硬質材を加工する対象物によっても刃数や形状も異なってきます。
ここではアルミ切削加工でよく利用される工具を紹介していきます。

加工ツール(ミル)の種類

- 表面仕上げ用・カッター
- ドリル(参考)
- 粗削り用・ラフィングエンドミル
- 仕上げ用・(超硬)スクエアエンドミル
- 仕上げ用・ アルミ用スクエアエンドミル
カッター・フェイスミル
カッターは肩削りに向く万能ツールです。超硬のチップをセットして利用できますので、母体のホルダーは変える必要が無く刃先となるチップだけを交換していきます。フェイスカッターも同様で、フラットな表面仕上げに有効です。

ラフィングエンドミル
ラフィングは「粗削り用」のエンドミルになります。荒削りは時間短縮を目的としています。ラフィングエンドミルで、ある程度の (1~2㎜) 仕上げ分を残した荒加工をしてから、仕上げ用のエンドミルに替えて仕上げていきます。

このラフィングの切削力はすさまじく、時間が無い時にちょっと無理して通常のエンドミルの3倍以上切り込みを入れてしまってもザクザク削ってしまいます。切り子も気持ちいいくらいに放出していきます。
(軟質用)アルミ用のエンドミル
溝が深いことから軟質材用のエンドミルになります。これをアルミ切削ではよく利用しています。アルミ以外では銅や真鍮など軟質系の材料にはこの深い溝のおかげで切削効率が高く発揮できます。

エンドミルの刃数違い
エンドミルは刃数も異なってきます。側面加工と穴加工用で刃数を選ぶことがあります。一般的には2枚刃と4枚刃が多くなります。
- 2枚刃は溝加工(Z軸加工に向く)
- 3枚刃は溝加工から溝側面仕上げ(Z軸+側面)
- 4枚刃は側面加工の仕上げに向く

アップカットとダウンカットにも注意します。
側面の外周加工で考えますと、側面の外周を一周回る方向(右回りと左回り)によってアップカットとダウンカットの違いが生じます。
通常は工具寿命にメリットのあるダウンカットで良しです。加工面に光沢を必要とする場合はアップカットで加工してください。主軸は右回転のため、外周を時計回りでダウンカット、反時計回りでアップカットになります。

- ダウンカットの方が工具寿命は長くなります。
- アップカットは加工面に光沢が得られます。
センターに刃が無いものもあります。
エンドミルにはセンターの中心まで刃が刻まれてないものもあります。このタイプはZ軸加工(穴を掘る)には利用できないので、エンドミルをとりあえず万能的に用意するようであれば、この「センター無し」を選んでしまうと穴掘りには利用できません。
オリジナルのエンドミル
今まで紹介したものは汎用タイプのエンドミルでしたが、アルマニアでは数多くの専用のエンドミルも利用します。求める形状により特注品で刃の形状を作ったものになってきます。

このエンドミルの場合は、もともとの汎用エンドミルを利用してオリジナル形状に形造ったものになります。側面加工から先端部分で溝を全周の掘る場合などで使用します。
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