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モックアップを利用して商品設計ができるのか?

この記事のタイトルは:

モックアップを利用して商品設計ができるのか?」です。

一般的に入手できるモックアップの精度についての検証

商品のお問い合わせではありませんが、技術的なお問い合わせでモックアップを使って商品設計ができるかどうか?と聞かれることが何度かございます。

今回、iPhone11のモックアップが同じカラーがありましたので、実機と比較しています。

こちらのモックアップはメーカーが各キャリアで配布するものではない、一般消費者が入手できるものです。

iPhone11のモックアップと実機(正面)

画像の左がモックアップで右が実機になっています。さすがにappleのロゴマークはありません。

iphone11のモックアップと実機

iPhone11のモックアップと実機(底面ライトニング)

画像の上がモックアップで下が実機です。実機の金属部分は樹脂で一体成型してあり、質感は感じられないです。

iphone11のモックアップと実機を重ねた

iPhone11のモックアップと実機(ボタン部分)

画像の上がモックアップで下が実機です。マナーモードの切替部分の作りは甘い感覚があります。

iphone11のモックアップと実機の比較

iPhone11のモックアップと実機(カメラ部分)

画像の右がモックアップで左が実機です。この画像だと普段から利用してないと少し判別しにくいかもしれません。

iphone11のモックアップと実機のカメラ部

実寸測定比較してみました

モックアップと実機の寸法をWHDで測定比較しました。

ノギスで厚み測定
比較幅W高さH厚みD
モックアップ75.56150.668.24
iPhone11実機75.70150.978.32
実機との比較差-0.14-0.29-0.08

実機との差でモックアップが全てマイナスになっています。これは推測ですが、ほとんどが樹脂で作られているため、生産設計基準は実機寸法ですが樹脂による収縮が全体で生じているため、このような寸法差が出ているものだと思われます。

まとめ

もちろん、ほとんど同じサイズで出来上がっていますが、バンパーの設計を行ううえで、0.1㎜違えば役に立ちません。もし、モックアップ基準で制作すれば実機でどうなるか想像もつきません。マイナスしていれば装着すらできません。

大きいところの差で0.3㎜で収まってはいるので、伸縮できる素材を利用したものを作るのであれば、利用できないことはありません。ただ、その場合は実機との寸法比較を確実に行っておくことは重要かと思います。

ここで言う、素材とはプラスチック(ABSやPPでPCには少し心配)、TPUやシリコンなどになります。

モックアップでの商品設計に対して

もちろん、実機で設計することをお勧めしますが、モックアップでも出来ないということはありません。今回のモックアップはメーカーがキャリア向けに用意したものではないので、一部は実機の部品を利用している場合も多いメーカーのモックを利用すればなお安心できます。

とはいえ、メーカー純正モックアップも過去には測定したものの、やはり実機とは異なる部分は多々ありました。モックアップは先行し実機の量産前に仕様変更している場合もあるので、やはり撮影の代用で利用するくらいしかありません。

alumania

この記事は機械加工の中でもアルミフルビレット技術を駆使して独自の観点によって「独創性のアイテム」を造り出す、alumania(アルマニア)の専門スタッフにより執筆されています。