スマートフォンの充電端子はUSB-Cへの統一が進み、iPhoneを含めて多くの端末で同じ形状のケーブルが利用できるようになりました。USB-Cは世界共通の接続規格ではありますが、端末の外装側に設けられたUSB-C端子の入口穴まで、全ての機種が同じ寸法になっているわけではありません。
見た目ではほとんど同じオーバル形状でも、実際に測定してみると幅と高さには機種ごとの差があります。ケーブルを差し込むだけなら気になりにくい違いですが、入口穴へ直接取り付けるキャップなどの部品を設計する場合、このわずかな差が装着感に影響します。
そこで、iPhone、Pixel、Xperia系のUSB-C端子入口穴(内径)を実測し、機種ごとの違いを比較します。

USB-Cの端子規格とスマートフォン側の入口穴
USB Type-Cのコネクタとレセプタクルは規格化されています。一方、今回比較するのはコネクタ自体ではなく、スマートフォンのフレームや外装に設けられたUSB-C端子へ差し込むための入口部分です。
この入口部分はUSB-Cコネクターの規格そのものではなく、フレーム形状や端面の面取りを含むスマートフォン外装の一部です。今回の実測では、同じUSB-Cケーブルを利用できる端末同士でも、外側から見た入口穴に寸法差が確認できました。
スマートフォン別にUSB-C端子入口(内径寸法)を比較
端末ごとの差を確認しやすくするため、代表例としてiPhone 17 ProとXperia 1 IVのUSB-C端子入口を同じ倍率で比較します。肉眼では同じように見えますが、USB-C穴の幅、高さ、周囲の面取り形状には違いがあります。
USB-C端子入口穴の実測サイズ


以下は、アルマニアが各端末のUSB-C端子入口(内径)を実測した独自データです。Aはスマートフォン外装に設けられたUSB-C穴の最大幅、Bは最大高さを示しています。ノギスを各モデルのUSB-C穴に差し込み、穴の内径の幅方向と高さ方向を測定したものです。
11機種を実測した結果、USB-C穴内径幅は8.35~8.56mm、USB-C穴内径高さは2.49~2.77mmとなり、機種間で幅0.21mm、高さ0.28mmの差が確認できました。
※掲載している寸法は、アルマニアが表に掲載した各機種の実機1台を同じノギスで測定した参考値です。測定箇所は、スマートフォン外装に設けられたUSB-C端子内部の最大幅(A)と最大高さ(B)です。メーカー公称値ではなく、製品の個体差や測定方法によって数値が異なる場合があります。
なお、USB Type-Cコネクターの規格寸法と、スマートフォン外装に設けられたUSB-C穴内径の寸法は測定対象が異なるため、数値を直接比較するものではありません。
USB-C端子入口穴(内径)の実測サイズ

| ブランド | 機種 | A:幅(mm) | B:高さ(mm) |
|---|---|---|---|
| Xperia | Xperia 1 IV | 8.52 | 2.63 |
| Xperia 1 VIII | 8.45 | 2.57 | |
| Xperia 5 IV | 8.48 | 2.68 | |
| Xperia 10 III | 8.56 | 2.77 | |
| Xperia 10 IV | 8.55 | 2.74 | |
| Pixel | Pixel 7 Pro | 8.40 | 2.54 |
| Pixel 9 | 8.51 | 2.65 | |
| iPhone | iPhone 15 Pro | 8.35 | 2.56 |
| iPhone Air | 8.37 | 2.49 | |
| iPhone 17 Pro | 8.35 | 2.53 | |
| iPhone 17 Pro Max | 8.35 | 2.53 |
参考として、USB Type-Cレセプタクルの金属シェル開口における代表的な寸法は次のとおりです。スマートフォン外装のUSB-C穴内径を測定した上の実測表とは、測定対象が異なります。
USB-C端子入口穴の代表的な寸法
| 項目 | 寸法 |
|---|---|
| 開口幅(長手) | 8.34 mm |
| 開口高さ(短手) | 2.56 mm |
| 両端R | R1.28 mm |
これはUSB Type-Cレセプタクルの金属シェル開口を示す寸法であり、スマートフォン外装側の入口穴について全機種共通の寸法を示すものではありません。
USB-C端子穴には最大約0.3mmの違いがある

今回測定した11機種では、USB-C穴の内径幅は最小8.35mm、最大8.56mmで、その差は0.21mmでした。入口高さは最小2.49mm、最大2.77mmで、その差は0.28mmです。スマートフォン本体の寸法として見れば小さな差ですが、USB-C穴へ直接差し込んで固定する小型部品では無視しにくい寸法差です。
大きいUSB-C穴を基準にした部品は、小さいUSB-C穴では差し込みにくくなる可能性があります。反対に、小さいUSB-C穴だけを基準にすると、大きいUSB-C穴では保持力が不足しやすくなります。そのため、複数機種への装着を前提とする部品には、内径寸法の違いを吸収できる設計が必要になります。
実測結果をUSB-C用キャップの改良に活用
アルマニアでは、USB-C端子の穴を埋める「USB-C CHARGING PORT CAP」を販売していましたが、現在は販売を終了し、リニューアルを進めています。
従来品は開発当時の存在している端末のUSB-C穴寸法を基準に設計していましたが、その後にUSB-Cを採用したiPhoneを含めて対応機種が広がったことで、異なるUSB-C穴寸法でも装着しやすい構造が必要になりました。
今回の実測結果を基に、USB-C穴の内側だけで保持するのではなく、USB-C内部の平板形状も利用する二重固定構造へ改良しています。具体的な変更点は、別記事で詳しく紹介します。
USB-Cの接続規格が共通でも、スマートフォン外装側の入口穴(USB-C穴)には機種ごとの差があります。端子へ直接取り付ける部品では、実機測定と複数機種での装着確認が重要になります。








