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新基準原付って何?125ccまで“原付免許で乗れる”新ルールの疑問

この記事のタイトルは:

新基準原付って何?125ccまで“原付免許で乗れる”新ルールの疑問 」です。

2025年(4月1日から開始)の制度改正で、「総排気量50cc超〜125cc以下かつ最高出力4.0kW(5.4馬力)以下」の車両が新たに原付一種(原付免許で運転可)として加わりました。

要するに、普通自動車免許に付随される原付一種(バイク)免許で125ccまでのバイクに乗れることを意味します。今までは、排気量だけで言えば50cc超125cc以下のバイクを運転するためには小型原付普通二輪が必要でした。

しかし、原付一種免許でも運転が可能になる50cc超125cc以下の車輛(バイク)には条件があります。小型普通二輪免許と重なる部分でもあり、正直よくわからないといった意見が多いのも実情です。
また、制度改正が始まった時点で50cc~125ccで4.0kw(5.4ps)以下のバイクは存在していませんでした。

なかなか年配の方にはエンジン出力を表す単位のkw表示が何馬力に置き換えないとわからない!といった方も多いと思います。馬力への換算方法は以下の記事が参考になります。

そのような中で、ようやく(2025年10月16日発表)ホンダから、この原付の新基準に合わせた110ccクラスの“Lite”シリーズ(4モデル)を発表しました。

ここでは新基準原付によって「何がどう変わるのか」「自分のバイクは運転できるのか」「現場でどう見分けられるのか」を解説していきます。

まずは結論的に(ざっくり)

新基準対象:「総排気量が50cc超〜125cc以下で、かつ最高出力が4.0kW(5.4馬力)以下の車両」
これらは原付一種免許で運転可能になります。

重要:125ccのバイクすべてが原付一種免許で運転可能になるわけではありません。最高出力が4.0kW以下に制御された「その車両」だけが対象です。
また、原付特有の運転方法も変わりません。二段階右折や速度制限30km/hまでが適用されます。

新基準原付の交通ルールは従来に同じ
新基準原付の交通ルールは従来に同じ(ホンダwebサイトより)

ホンダが発表した「Honda Lite シリーズ」はこの基準に合わせた新モデルで4車種です。
(スーパーカブ110 Lite、スーパーカブ110 プロ Lite、クロスカブ110 Lite、Dio110 Lite)

ホンダの新基準原付ラインナップ
新原付基準対応モデル(ホンダwebサイトより)

2025年10月時点で確認できる、新原付免許で運転できる125ccクラスで4.0kw以下のモデルとしては、ホンダのLiteシリーズのみとなります。他メーカーも順次対応車種が登場していくものと思われます。

ここで免許区分別で分かれる範囲を表にまとめてみます。最初に従来の原付一種を表すと以下になります。

今までの原付区分

免許区分排気量の範囲最高出力の条件乗車できる車種例取得可能年齢
原付一種(従来)50cc以下(または出力1.0kW以下)特になし(排気量で判定)スーパーカブ50、ジョルノ、タクト など16歳〜

今までの原付免許(従来)ではこのような条件区分がありましたが、原付新基準によって、免許区分をすべて最新版としてまとめると、以下のようになります。

新基準原付区分(2025年4月1日~)

免許区分排気量の範囲最高出力の条件乗車できる車種例取得可能年齢
原付一種(新基準)〜125cc以下4.0kW(約5.4PS)以下Dio110 Lite、スーパーカブ110 Lite など16歳〜
原付二種(小型二輪)50cc超〜125cc以下4.0kWを超える車両を含むPCX125、モンキー125、MT-125 など16歳〜
普通二輪免許(中型)125cc超〜400cc以下特になしCB400SF、YZF-R3、Ninja400 など16歳〜
大型二輪免許400cc超特になしCB1300、Ninja ZX-14R、Harley-Davidson 等18歳〜

こうやって新基準原付を加えて書き換えると誤解されやすくなってしまうのですが、最高出力の条件が4.0KWに限定されるのは、50cc~125ccのことであり、こういった表の中では隠れてしまうのです。

すなわち、正確には「総排気量50cc超〜125cc以下かつ最高出力4.0kW(5.4馬力)以下、かつ50cc以下は最高出力制限なしとなります。

原付一種の新制度では「50cc以下の従来原付には最高出力の上限規定がなく、従来どおり運転可能」であり、「50cc超〜125cc以下は最高出力4.0kW以下」が追加された、という構造です。

既に旧車の域には達していますが、2サイクルの50ccスクーターDioやJOG、ミッション付きならNS50Fなどの7ps(7馬力)前後でも新基準下でも継続して原付免許で運転可能です。

2サイクルが製造中止され、全てが4サイクル化された原付50ccバイクでは、パワー不足での物足りなさというよりは不安な方が大きかったという方も多かったのでは。
といっても、新基準でも4.0kw(5.4馬力)以下なので、大きなパワーアップにもなりませんが、公道である程度は自動車の邪魔にならずに走りやすくはなると思います。

なぜこのような変更になったのか?(背景)

そもそもバイクに乗らない方にとっては、「なぜこのような新しい原付の基準が始まったのか?」と疑問に感じるかもしれません。この制度改正の背景には、社会環境や技術の変化があります。

  • 電動バイクやハイブリッド車の普及に対応するため
  • 海外との整合性と車両区分の明確化
  • 若年層・高齢者の移動手段確保
  • 環境対応と安全性向上

このように、原付新基準は単なる出力制限の話だけではなく、時代の変化に合わせたモビリティ再編の一環として始まった制度とは言えます。

環境規制(排出ガス規制)や従来50ccモデルの生産継続の難しさを受け、利便性を守る目的で125ccまでの低出力化車両を原付枠に組み入れることにしました。
国・業界の手続きや評価を経て施行されています。

新原付一種免許で「どのバイクが乗れるの?」の確認手順

4.0kw以下といっても、どうやって調べればいいのか?自分のバイクは該当するのか?

これについては、販売店や車両のカタログ仕様の最高出力を確認することになります。kW表記で公表されているか確認(4.0kW以下なら該当)し、新車を買う場合は販売店に必ず確認を。

また、登録・譲渡時の書類を確認登録時(ナンバー交付)に「型式認定番号」や国交省認定の「最高出力確認済書」/表示シールの提示が求められます。これが一番確実な証拠です。

ナンバープレート(白)で判断(簡易)する。新基準原付は原動機付自転車扱いで市区町村の交付する白色標識(原付用)を付ける運用が案内されています。
ただしナンバープレートの色だけでは完全には判別できないため、やはり書類での確認が必須です。

ナンバー色別で見る車両区分と届け出先

ナンバー色車両区分排気量/出力(目安)免許区分届け出先(登録窓口)
白色原付一種(従来)/新基準原付
① 従来:総排気量 50cc以下(最高出力の規定なし)
② 新基準:総排気量 50cc超〜125cc以下 かつ 最高出力 4.0kW(約5.4PS)以下
原付免許(16歳〜)市区町村(市役所・区役所等)
黄色原付二種(小排気量)総排気量 51cc〜90cc小型原付普通二輪(免許要件は原則同等:16歳〜)市区町村(市役所・区役所等)
桃色(ピンク)原付二種(大排気量)総排気量 91cc〜125cc小型原付普通二輪(免許要件は原則同等:16歳〜)市区町村(市役所・区役所等)
白色(軽二輪)軽二輪(小型自動二輪)総排気量 126cc〜250cc普通二輪免許(250cc以下)運輸支局(陸運局)
白地に緑枠小型(大型二輪)総排気量 251cc以上大型二輪免許(18歳〜)運輸支局(陸運局)

※表示は「標準的な区分・運用」を示した簡易表です。
※新基準原付(50cc超〜125ccかつ最高出力4.0kW以下)は、従来の50cc以下原付と同様に白ナンバーで交付されます。
※125cc以下の登録手続き・軽自動車税の窓口は市区町村、126cc以上は運輸支局が窓口となります。

取締り・現場でどう見分けるのか(警察・役所のやり方)

このように複雑になってしまった新原付免許範囲により、例えば取り締まりにあった際にどのようなケースがあるのか考えてみますと、普通自動車免許(原付第一種)しか持っていないのに、新基準になったからといって安易に125ccのバイクを運転してしまうケースです。

この場合、無免許運転に該当しますので、取り締まりの対象であり、恰好な餌食になってしまいます。(3年以下の懲役または50万円以下の罰金の刑事罰)

一方、取り締まり側もすぐには制度の理解が浸透しないため、125cc=小型免許必須→普通自動車免許では不可といったような今までの解釈を適用してくる可能性もあります。125ccでも4.0KW以下という条件付きなので、取り締まり側にとっても少々ややこしい面があります。

また、交通取締りの場面で警察が“その場でエンジン出力を測る”ということは通常ありえません。実務上は「登録情報(ナンバー)/譲渡証明書/確認済書」を照合して判断します。
そのため、「見た目」だけではなく書類(型式認定や確認済書)を必ず携帯しておくことが重要です。

ホンダから登場した新原付区分対応モデル(Lite)

新原付免許で運転できる車両は今現在(2025年10月時点)でホンダのみで以下の4種になります。スクーターDio以外はスーパーカブ系がベース車になります。

ホンダの新基準原付一種対応モデル一覧
ホンダの新基準原付一種対応モデル一覧
モデル発売日(予定)最高出力備考
Dio110 Lite2025-11-203.7 kWDio110をベースに出力制御・アイドリングストップなど。:contentReference[oaicite:11]{index=11}
スーパーカブ110 Lite2025-12-113.5 kWスーパーカブ110系を出力最適化。前輪ディスク・ABS等。:contentReference[oaicite:12]{index=12}
スーパーカブ110 プロ Lite2025-12-113.5 kW業務用途配慮モデル。:contentReference[oaicite:13]{index=13}
クロスカブ110 Lite2025-12-113.5 kWオフ寄りのスタイリング、同様に出力抑制。:contentReference[oaicite:14]{index=14}

新基準原付では4.0kw(5.4馬力)以下が条件になり、ホンダの対応機種は110ccで3.5kw(4.76馬力)になっています。

今までの50ccモンキーやスーパーカブあたりはせいぜい2.5〜3.0 kW(3.4~4.1馬力)程度でしたから、少しは良くなる、なんとか60km/h近くまで出ることが予想されますが、あくまでも原付のため法定速度は30km/hまでです。トルクは上がりますので余裕感は得られると思います。

よくある誤解(Q&A)

Q. 「125ccなら全部原付免許で乗れる」?
A. いいえ。排気量が125ccでも「最高出力が4.0kWを超える」既存車両は原付免許では運転できません(従来どおり小型二輪免許が必要)。
Q. 以前の50ccで“4.0kW超”の表示があるバイクはどうなる?
A. 既に登録されている車両は、登録区分に応じて従来どおり扱われます(過去の登録区分が変わるわけではない)。ただし新規に同じ仕様で登録する場合は最高出力の確認が必要です(書類がポイント)。
Q. 以前の50ccをボアアップした場合は?
A.ボアアップ車は車輛型式の認定を外れるため、法的には別車両扱いになります。100ccで4.0kw以下でも白ナンバーの取得はできません。50cc車を100ccに改造した場合は、「小型原付普通二輪(黄色またはピンクナンバー)」として登録することになり、新基準原付で運転することはできません。
Q. 中古で買うときの注意点は?
A. 販売証明書や車検書(該当する車両の書類)、「最高出力が4.0kW以下であることの確認済書」や確認シールの有無を確認してください。販売店に書面で求めるのが安全です。

参考・出典

本記事は以下の文献を参考に記載しております。詳細をお知りになりたい方はリンク先でご確認下さい。

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この記事は機械加工の中でもアルミフルビレット技術を駆使して独自の観点によって「独創性のアイテム」を造り出す、alumania(アルマニア)の専門スタッフにより執筆されています。