この記事のタイトルは:
「 超広角センサー拡大化の実力検証|Xperia 1VIIと1VI比較 」です。
超広角のイメージセンサーがアップ(1/2.5型→1/1.56型)したXperia1VIIの実力を確認すべく、同じ対象物を撮影してセンサーアップ前の1VIとマクロモードで撮影された画像を比較してみました。
このマクロ撮影を担う超広角レンズのイメージセンサーが大型化され、新型Xperia1VIIの大きな魅力・進化の一つです。
他のレンズ(標準・望遠)は1VIIと1VIが同スペックなので、撮影結果としてはほぼ同等になります。

そもそもよく見かけるカメラのセンサー(奥にある四角形)が大きくなると何が良くなるのか?箇条書きでまとめますと、このような傾向になります。
- 暗い場所でもキレイに撮れる(高感度)
- 背景がよくボケる(浅い被写界深度)
- 画質が良くなる(ノイズが減る)
- 画素が大きくなるので、光をたくさん取り込める
- ダイナミックレンジが広がる(明るい所と暗い所の差がしっかり表現できる)
このように、イメージセンサーが大きくなると、要するに「暗くてもキレイ・自然なボケ・高画質」になります。これが、今回の1VIIで超広角レンズでイメージセンサーの大型化が実現されています。
ちなみにイメージセンサーのシェアナンバーワンがソニーです。
超広角(x0.7)レンズのセンサーが大型化されても、超広角(ワイドレンズ)ってあまり使わない…
と言う方も多いかもしれませんが、このセンサー大型化の恩恵は、マクロ撮影時(被写体にすごく近づいて、大きく写す撮影方法)に大きく発揮されます。
マクロ撮影時はこの大型化されたイメージセンサーが使用されるためです。
マクロモードで使用される超広角レンズ内のイメージセンサー
Xperia1VIIでの撮影時には、カメラを立ち上げるとデフォルトでは倍率は「1x」です。
その際(1x時)には、3眼レンズの中間レンズが通常撮影(1x)を担うレンズでありまして、その後に対象物に近くに寄ればマクロモードとなります。
マクロ撮影時には中間の標準レンズから最上部のレンズにセンサーが移動してくれます。
ディスプレイ上では1x(1倍率)のままですが、マクロモードになりましたら、レンズはイメージセンサーがアップした超広角レンズがマクロ撮影で使用されます。(これは1VIも同じ仕組みです)

イメージセンサーが1/2.5型→1/1.56型となりますと、面積比では2.4倍に相当します。相当なスペックアップで1VIIにとって期待の進化部分です。
そこで、実際に撮影して比較し、1VIIのセンサーアップ(1/1.56型の実力)による恩恵がどれほどあるのか、1VIと比べて確認してみました。
何を撮影して比較しようか考えていたところ、最初に近く置いてあったアルマニアのエアバルブキャップがなかなか小さいので、これを使って近くに寄ってマクロ撮影比較してみます。

ボールペンを横に置いてみましたが、撮影対象はかなり小さい部品です。マクロなので良いのですが、物足りなくなりそうでしたので、他に屋外で花びらを撮影したものでも比較してみます。
次項より「切削品」と「花びら」編に分けてご覧いただけるようにしておきます。
1VIIと1VIのマクロ撮影性能比較:切削品編
各モデル(1VIIと1VI)で撮影した両者の画像を比較しやすいように上下に並べています。
最初はスタンドで固定して完全に同じ位置から撮影したかったのですが、両者で画角が異なり、撮影結果(画像)が合わせにくい(比較しにくい)ために、手持ちオート撮影しています。
イメージセンサーの大型化によるメリットが効いて、1VIで撮影した画像はかなり暗い印象の撮影結果にはなっております。なお、撮影して保存された画像をそのまま使用しています。
Xperia1 mark7で撮影

Xperia1 mark6で撮影

この2枚をスライドで比較できるようにしてきました。左側がXperia1VIIで撮影したもので、右が1VIです。中心のバーを移動することでどちらかの画像にシフトします。
2枚の画像をスライドで比較


この撮影結果で見れば一目瞭然ですが、細部のディテールが全く異なります。
1VIIで撮影したものは切削痕がハッキリと確認できますが、1VIの撮影したものはボケてしまっています。また、暗い印象です。
焦点合わせの関係もありますが、距離を離して(対象物から引いて)撮ればもう少し1VIでもディテールは映りますが、撮影した画像を拡大しなければ確認はできないほどです。
撮影対象になぜエアバルブキャップを選んだか?といえば、六角面も切削していますので、切削模様が見えることで比較しやすいと考えたからです。
次に少し後ろに引いて、明るさが確保できる向きで撮影比較してみました。
製品側面の切削目が見えるようにしたのが目的ですが、側面は切削痕が見えるようになりますが、製品上部の円形の斜面の切削痕は1VIではボケています。
一方、1VIIはそのあたりもしっかりと描写してくれています。
Xperia1 mark7で撮影

Xperia1 mark6で撮影

2枚の画像をスライドで比較


この2つの画像を拡大して比較をまとめてみます。明らかにセンサーアップの効果が見える箇所がこちらになってきます。

拡大してみれば一目瞭然になります。両者の製品側の六角平面は縞模様が見えますが、拡大した斜面の箇所は切削痕が見える・見えないで大きな違いがあります。
このように、イメージセンサーが関連して撮影画像の品質に違いが生じます。とはいえ、今回のセンサー大型化でも、まだ1/1.56型です。(標準の広角レンズは1/1.35型)
まだまだスマホのカメラのイメージセンサーは大型化されていくことは容易に予想されますが、今回の1VIIの超広角での進化でようやくマクロ撮影はコンパクトカメラに匹敵する実用レベルに達したと言えそうです。
1VIIと1VIのマクロ撮影性能比較:花びら編
先程の撮影比較画像は「詳細部まで映っているか?」が主体になっていましたので、かなり明るさの違いも生じていたため、別の検証で太陽光下の花びらを撮影して比較してみます。
Xperia1 mark7で撮影

Xperia1 mark6で撮影

2枚の画像をスライドで比較


1VIIでの撮影ですと、中心部が鮮明で外がボケた結果になりました。一方、1VIはボケが少なく花びらの全体がハッキリした印象になりました。
撮影モードはどちらもオートです。Xperia1のプロモードで焦点距離やシャッタースピードなども細かく調整できますので、似た風味にまで持っていくことはできると思います。
ここでの注意点は、撮影位置は同じで撮影サイズも同じですが、1VIで撮影した画像は1VIIの花びらに合わせて拡大させています。
撮影画像に何を求めるかによって異なりますので、どちらが好みかは人それぞれです。ただ、自然な仕上がりを見せているのはセンサーアップの1VIIです。
1VIIと1VIのマクロ撮影比較:まとめ
Xperia1VIIの大きな特徴(進化)となりました、超広角レンズのセンサー大型化によって、その恩恵はマクロ(近接)撮影時に特に実感できるものです。
1VI(1m6)までの近接撮影では、正直なところ、当方としては細部のディテール表現が弱く、ボケてしまい、当方の重要とする撮影には使い物にならなかったのが実情でした。
どれほどマクロ撮影時の表現が上がったかは先程の比較画像でご覧いただけたように、これで本当にコンパクトカメラと同等、またはそれを超えるほどになったと言えます。
期待以上に満足できたマクロ撮影性能を持つXperiaVIIは、マクロから望遠までこの小さなボディーに固縮させたカメラ性能にこだわる方にも十分満足していただけるスマートフォンになったのではないでしょうか。
スマホの買い替えサイクルが長期化する時代ですので、せっかくなら超広角側のイメージセンサーが大型化され、マクロ撮影も強化されて満足できる撮影品質を持つXperia1VIIはオススメしたい1台です。
ここに登場する「Xperia1VII」(ワン・マークセブン)と「Xperia1VI」(ワン・マークシックス)の比較、実機本体の詳細をまとめた記事はこちらからご覧いただけます。
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